とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
オラルは書状にバチカンからの要請をしたためた。
内容は今後、バチカンから討伐依頼を要請したいという事。
承諾してくれるのであれば彼等の行動に関してバチカンは全て認知する事を記載した。
それに対して後日リーダーのアランから返事が来た。
そこには“条件付きで承諾する”と書かれていた。
条件というのは“討伐内容は自分達で選ぶ”というものや、“自分達の名前等は伏せる”などかなり細かく箇条書きされていてオラルは驚いた。
─まるで抜け目がない…。
それを見ただけで食えないヤツなのが判る。
だがお互いにメリットがあるのは確かだ。
『果たして“上”がなんと言うか…』
アランが提示した条件をオラルが了承したとしても、バチカンの上層部が素直に首を縦に振るとは思えない。
それを考えるとオラルは気が重かった。
だが、上層部はオラルが拍子抜けする程あっさり“OK”を出した。
─何故こんなにスムーズに許可が下りた?
考えられるとしたら、上層部の人間が彼等を知っていたか、誰かの指示か…?
どちらにせよ、どう頑張ってもオラルが知り得ようのない事だ。
彼はふぅと安堵の息をつくと、早速アランへ書状を書くのだった。
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