とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
そして何故かウキョウの隣に移動して肩に手を回すと声を潜ませた。
『実は悩んでたんだ。』
『何を?』
『ミーシャだよ。』
『ミーシャ?…なんかあったのか?』
『アイツ好きだろ?お前の事。』
『へぇ……って…えええぇっ!?』
ウキョウのすっとんきょうな声にユーリは『声がデカイ!』と頭を叩いた。
『勘違いじゃねぇの!?』
『勘違いじゃねぇって!…俺、前にウキョウは無理だって釘刺したんだぞ!?』
ユーリの告白にウキョウは口を開けたまま唖然とする。
『…なんだ?まさかその気があるとか言わねーよな?』
『いっ…言わねーよ!ミーシャは…そういう好きじゃないし…』
ユーリは『判ってるよ。』と笑った。
『俺の何がいいんだか…』
『…無自覚…』
『はぁ?…意味わかんねーって!』
ウキョウが眉を寄せてユーリを睨んだ時、ローズが魚介類のスープパスタを持ってやって来た。
『あらあら、仲いいのね。』
『ありがとう、ローズ。…俺は君と仲良くしたいよ。』
『まぁ~た…ホント調子がいいんだから』
あまり相手にされてないユーリだが、意外と図太らしく『今度デートしよう』とローズの手を握った。