とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
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セントルシア…西インド諸島にあるウィンドワード諸島中央部に位置する、イギリス連邦加盟国の島国。
国土面積616k㎡で内陸部は山岳地帯となっており、世界遺産にも指定される自然も豊かな国だ。
首都カストリーズに到着した忍とニコールはひとまず宿を探す。
無事に今日の宿泊場所を確保し、二人は街へと繰り出した。
『人が多い!意外と観光地なんですね…』
『ここは首都だからね。内陸の方は山ばっかだから、そんなに人は多くないと思うよ?』
地図を片手にニコールは観光案内所を目指した。
忍ははぐれない様にニコールの隣を歩きながら密かに街並みを見て楽しむ。
人種はほとんどが黒人で、たまにフランス語も飛び交っている。
ニコールは旅馴れしていて、まず何をするべきかを心得ていて忍はそれについて行く。
正直、独りだったらこんなに安心出来なかっただろう。
内心ニコールがいて良かったとホッとした。
『…ここかな?』
観光案内所らしきビルに入るとニコールは早速職員に話し掛けた。