とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
右京が自分を女として見てくれない事…
兄に『彼は駄目だ』と言われた事…
それでも気持ちが抑えられない事…
話し出したら次から次へと言葉が出て来る。
一方的なミーシャの話をおばさんは『うんうん』と聞いてくれた。
そしてこう言った。
『あんたの初めての恋だ。それがどうかはアタシは言わないよ。』
反対されなかった事にミーシャはホッとした。
『でもね、ミーシャ。恋愛ってのは独りじゃ出来ないんだよ。相手がいるから出来るんだ。』
おばさんは優しい眼差しでミーシャを見て言った。
『まずは相手の気持ちを考える。…それが大事だよ?』
『…もし、彼に好きな人が居たら?』
『彼がその人をどれくらい好きなのかによるねぇ…あんたの言葉で気持ちが簡単に動くようなら、それはそれであまり信用出来ない。』
ミーシャはおばさんの話に頷く。
確かにその程度の気持ちなら、例え自分の方に振り向いたとしても不安になるだろう。
『おばさんならどうする?』
『そうだねぇ…アタシなら何も言わない。』
『諦めるの!?』
『ミーシャ。人の気持ちは大事だよ。自分の気持ちもね。』
だがミーシャにはおばさんのその言葉の意味がよく解らなかった。
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