One Love
再び
あたしは
とぼとぼ歩きながら
30分ほどで家についた。
あたしを拾ってくれた
ママは居酒屋を
経営しているので
その居酒屋に帰る事になる。
「ただいま~」
ガラガラ~
ガラスの扉が開く音。
「あ、さゆおかえり!!
ごめん、
着替えたら手伝ってくるない??
今日団体さん入ってる~~っ。」
店の仕込みを
まだしているママが
あたしに声をかける。
「うん、
すぐ着替えてくるね。」
あたしは
店のキッチンの
右側にある階段をあがる。
制服を脱いで
ハンガーにかけ、
Tシャツと
ショートパンツに着替える。
洗面所に行き
鏡を見ながら
長い髪を一つに結んでから
さっき上がってきた
階段を下る。
「エプロン
そこのテーブルの上
置いてるよ。」
あたしの
いつもの赤いエプロン。
特に柄はなくて
お腹の辺りに
大きなポケットがついている。
「何したらいいの??」
「えーっとね、
あ!!から揚げあげて♪」
あたしは
後は揚げるばかりに
準備された
鶏肉が入っている
ボウルをうけとる。
「さゆが揚げた
から揚げおいしいって
評判なのよ~♪」
「それ3回くらい聞いた~」
そうだっけ、
とママが笑う。
ガラガラ~
店の扉が開く。