One Love

出会い

「何か人多いね~っ!!どこから見よっか??♪」

さえこはすごく楽しそう。

「ん~~あそこ見たいかも♪」

あたしも楽しい。

「あ、このマキシかわいい♪
さゆに似合いそうだよ!!」

と言って、あたしにワンピースを渡す。

ひまわりみたいな
可愛い黄色のマキシワンピース。

あたしの黒い髪によく映える。

「かわいい、これいくら??」

ぺろっっと値札を見る。

「2900円!! 安いね、これあたし買うよ。」

「見て~~♪このトップス超かわいい♪」

さえこがあたしに見せてきたのは、
ふわふわした白い、かわいらしいトップス。

さえこに似合いそうな感じ。 

「ね~ね~、君たち
どこの学校??
かわいいよね~~♪」

突然、
あたし達のすぐ後ろから
男の声がした。

ぱっと振り向くと
すごいチャラそうな男がケータイをぱかぱか、
開いたり閉じたりしている。

「は・・??」

「いやいや~、
は??じゃなくてね。
君たち超かわいいから~
ケー番教えてくんない??」
そんなに笑顔で言われても・・。

さえこの方を見ると
ナンパなんて
一切気にせず1人で
洋服を見ている。

・・ずるい。

「そうゆうのめんどくさいです。
困ります。」

「いいじゃん♪
ケー番くらいさ~」

しつこい。

「だから、
困るって言ってんでしょ」           
「お願い!!
そっちの茶髪ちゃんの
番号も本当は知りたいけど、
君だけで我慢するから♪」             
「も~めんどくさい!!
教えりゃいいんでしょ!!」            
「やったぁ~~♪
ありがと・・」
            
「教えちゃだめ。」

チャラ男の言葉を
いきなり遮る。


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