イジワルチェリー



…はぁ……はぁ……



このくらい走ればもういいよね……

昇降口まで走ったところで息があがり、あたしは足を止めた。


はぁ……はぁ……


さっきはびっくりしたなぁ…


あんな人混みの中、桜なんか見てボーッとしてたし…

ぶつかるのも無理ないね。

これからはボーッとするのは禁物だな…



昇降口も、この高校の生徒でいっぱい。

どの人も知らない人ばっかり。


引っ越してきたんだから当たり前だけど…

知り合いがひとりもいないなんてやっぱり辛いかも。


急に不安が押し寄せてきた。


あたし、この高校でよかったのかなあ…





< 6 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop