そばにいて
その後、何度も警察署やその関係のある場所に問い合わせをしたり、かけあってみた。
でも、皆言うことは同じだった。
『教えられない』
『知っている者がまだ戻ってきていない』
『あの女の刑は変わることはない』
一週間探し続け、新聞やニュースで大きな事件が取り上げられた。
『桜宮容疑者を投獄した関係者、全員が謎の行方不明』この時のことはよく覚えている。
父さんの友人の警察庁の人に尋ねても、誰もが混乱していて必死に行方不明者捜索にあたっていた。捜索本部が立ち上がったが、何年たっても見つかることはなかった。
私は絶望した。
これでもう薫子を探す手がかりが失われてしまったのだから。
私は、薫子と住むはずだった桜の木のそばの家に1人で住みようになった。