そばにいて
一度だけ京助に無理矢理見舞いに行かされたことがあり、その時に『あの時の犯人はお前か?』と聞いたことがあった。
京助にもその事件のおおまかな内容を話していたから、いきなりこんな話をする私に少なからず困惑しているように見えた。
「…まだ、あの女のこと忘れていなかったんですか?私はあの事件に関わっていますが、首謀者ではありませんよ。……これ以上話すことはないです。帰ってください」
時効も成立しているからか、ペラペラと話してくれた。首謀者が他にいる。
そのことがわかって調べてみても、結局は何もわからなかった。これが私が知っていることの全てだ。
薫子が生きているとわかった今、私が思うことはただ1つだけだった。
“逢いたい”