そばにいて
その後は、『薫子の衣類等は自分が用意をする』と言われ、離れを出た。
50年ぶりの再会。
龍之介さんは、きっと待ち遠しいに違いない。薫子さんがどういう反応をするか気になるな。
一週間というのも調べ物等していくとあっという間だった。一週間調べ物をしても、龍之介さんに聞いた以上のことはわからなかった。
僕はまたリュックを背負い、龍之介さんは薫子さん用に取り寄せた着物を手に、地下に繋がる洞窟にやってきた。
「まさか、ここに地下があるなんて…」
「僕も驚きました。でも、今思うとこんなに御札や鎖でくくられているなら怪しいですよね」
前来た時と同様に鎖をくぐり抜けて洞窟の中に進んだ。