そばにいて
しばらく泣いて、辰巳のところまで行くと書類とにらみ合っている辰巳が目に入った。
『特徴のある文字』と聞いてある人物が頭によぎった。
違うと信じたかった。
でも、書類のサインを見て私は絶望した。
私は、『東雲華の場所に連れてって』と言うと私に持ってきてくれた衣類みたいなのを持って部屋に戻った。
「薫子!一体どうしたんですか?」
私の様子がおかしいと思ったのか、龍之介が追いかけてきてくれた。
「…この着物用意したの龍之介でしょ。着付けるの大変なのにさ。ほら、手伝ってよ」
「はぐらかさないで下さい。…どうしたんですか?」
変わっていない。
本当に変わっていないね。
私が大好きな龍之介のままだよ。
だからかな。弱い私を見せれるのは龍之介だけだよ。