そばにいて
「……さ…ん…」
「え?」
「…ひっ…う…、かあ…さんだった…。華じゃない、…かあさんが…は、犯人だ…!」
私はあの文字を知っている。英語の筆記体で変に特徴がある文字。
私の二番目の母さんの桜宮晴美の文字だ。
私の本当の母さんは、私を産んだ時に亡くなってしまった。そして、私が8歳になったときに父さんは再婚した。その時はさして興味を持たなかった。初対面した時もこれといって何もなかった。
でも、私と違って母さんは違ったみたいで私のことは気持ち悪い子供だと思っていたみたいだった。
小さいのに大人の中に混ざって実験をしていた私が。
そのことで何度も父さんと母さんが言い争っていたことも知っていた。