そばにいて
真実を確かめる為に





「ここは地下だったのか…」





薫子は階段を上がりながらポツリと呟いた。ずっと知らないでいたのか。


薫子さんの手を龍之介さんがずっと握っている。薫子さんが少し不安そうな表情に見えた。







「…空が青いな…」







洞窟を抜けて外にでると薫子さんは嬉しそうにしていた。



洞窟から華さんが入院している病院までは歩いて30分程度。タクシー等を使えばすぐに着くが薫子さんが『歩いて行きたい』と言い出したので歩いて向かっている。





向かっている最中、薫子さんを遠巻きで見ている人がたくさんいたが本人があまり気にしていないようだったから、ほうっておいた。









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