そばにいて
私の罪※side華
私が入院をして十数年の月日が流れた。
兄様はきっと絶対に来ない。息子も孫も忙しくてほとんど来ない。病室も個室でほぼ私1人っきり。
きっとこれは罰なのだ。
私にかせられた罰。
コンコンッ
久しぶりのお客だ。
「…はい」
久しぶりに声を出すとあまり声でないんだと思った。扉の方を見てみると孫の辰巳が立っていた。
「あら、辰巳久しぶりね…」
「華さん、お客を連れてきました」
「お客様?」
辰巳が扉を大きく開けると久しぶりに見る姿があった。
「…兄様じゃありませんか。どういう風の吹き回しですか?」
本当は嬉しいのにイヤミな言い方しかできない私。兄様は、少し眉間にシワを寄せると口を開いた。