そばにいて






その後晴美は見事な演技で式場から出て行き、私は乾いた笑いが出てしまった。


兄様が私に向けて敵意むき出しで来ても、もう後戻りはできないと思い、口から出たのは全部嘘ばかり。





魔女は晴美なのに…。









その後薫子のことが新聞やニュースで取り上げられた頃に晴美と2人きりで会った。







「…薫子はどこに?」



「貴女は知ることはないわ。この話は他言無用よ。貴女も共犯者だということは忘れずにね」









共犯者という言葉が私の胸に大きく突き刺さった。



そして、薫子の場所を教えてくれることはなかった。









晴美は結局桜宮頭首に振り向いてもらえることなかった。








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