そばにいて
全てを話し終えて誰も一言も話さない。私はコワくて顔を上げることができない。
シーツを握りしめる手が自然と震えてくる。
「…ねぇ、華」
最初に口を開いたのは薫子だった。
恐る恐る薫子の顔を見てみると、薫子は泣いていた。
「…貴女は後悔している。今も昔もたった1人で罪を背負った。…でも私は、貴女を許せるほど心は広くない。多分、死ぬまで怨むと思う」
怨まれて当然。
覚悟もしていた。
でも、心が痛い。
憧れの人に、大好きな兄様にずっとずっと怨まれ続ける。それが一番辛い。
「それでも…」
温かい。
そう感じ、顔を上げると私は薫子に抱きしめられていた。ゆっくりと優しく頭を撫でてくれている。