もう1度…。
2年。
「知らなかったのか?」
「…知らなかった」
2年も正尚の彼女だったのに、あたしは正尚の家族構成すら知らなかった。
「この2年間……あたしたちにとって何だったんだろうね」
「………」
「彼氏の家族構成すら知らない彼女。彼女がいるのにセフレがいる彼氏……この2年間、あたしたちは相手の何を見てたのかな…?」
あたしたちはきっと恋人同士であって恋人同士じゃなかった。
「……麻美」
「なんで正尚がそんな顔をするの…?」
正尚は辛そうな表情をしつあたしを見ていた。
「正尚がそんな顔する権利ない…」
あたしは鞄を掴んで立ち上がった。
「待てっ」
「嫌っ!帰る!」
もう正尚と一緒にいたくない。
「帰ったらあの画像バラまくぞ!」
正尚の一言で帰ろうとしていた体が固まる。
「…今そんなこと……卑怯だよ!」
あたしの1つ1つの行動を正尚はこれからあの画像を使って脅していくの…?
「あたしは正尚の奴隷ぢゃない!あたしは正尚の……彼女じゃないの?」