僕たちのこと
彼の家は、学校をはさんでユキの家の反対側にあって
距離にすると8kmぐらいあっただろうか
しかもバスも通っていない場所で
ユキはその長い距離を
歩いて彼に会いに行った。
休みのほぼすべて、彼に捧げた。
不思議と遠く感じなかった。


中学2年になると
親を説得して
長山君と同じ塾に通った。


その塾は学校のすぐ近くにあったけど
凄く小さなところで
5~6人しか生徒がいなかった。
その中でも2年生は
ユキと長山君の2人だけ。


2年生になってから
隣のクラスになってしまったけど
塾に行けば2人きり
向かい合ってお勉強。



アノ頃は人生の中で一番輝いていて
確実に「病気」ではなかったと、思うよ。




ごく普通の
恋する少女。




そんな時間を過ごすこともできたんだ。
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