僕たちのこと
第7章

†中山さん†

ここまできても、まだ出てきていない名前、あるよね。
「このオハナシは僕を含む4人…」
と紹介してあったはず。
そう、まだもうひとりいるわけです。


彼女は"中山さん(仮)"
仕事をするだけのお人形さん。
彼女がいつから存在しているのかを
僕は知ってる。



コウキと別れて夜の世界からもサヨナラしたユキとまいは
エステの営業の職についた。
理由は、求人誌に「学歴不問」とあったから。それだけ。
まだ17歳だったユキだけど、その職場には同年代がいっぱいいた。
ド派手なギャルとヤンキーしかいなかったけど。


仕事の内容は電話と街頭でのアンケート。
「アンケートに答えてくれた方の中から抽選でエステ1回無料券が当たる」
…という歌い文句だが、これ、全員に当たる。
あくまでも1度来て貰って
エステを受けてもらい、その上でカウンセラーを名乗る人物が
通う事をしつこく進める。
今思えばアクドイ商売だ。

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