僕たちのこと
サエは、酷く疲れていた。
泣いているでもなく
声からは凄く疲れている印象を受けた。



「何があった?事故ってだれなん!?」






「伊織が、さ。」








顔面蒼白。鼓動がみるみるうちに早くなってゆく。








「事故…じゃなくてさ。あいつ、飛び込んだんだ…」




サエによると、伊織は美大進学を祖母によく思われていなかったらしい。
(伊織の芸術的センスはずば抜けて優れていて、油絵を習ったりもしていた)
更に、初めて出来た彼氏との進路のすれ違い。
それによる別れ話し。

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