僕たちのこと

†僕とユキ†

僕には幼い頃の記憶はないけど
ずっと昔からユキと一緒にいた。


相談を交わすような仲ではないけど、空気のような存在かな。
ずっとお互い、友達を作るのは苦手だったけど
小学校はね、小さいところでさ。
19人しかいない学年だったからもちろんクラス替えもない。
不思議と居心地がいい場所だったね。


凄く仲のいい子がいたんだ。
伊織ちゃんっていうオンナノコだった。
休み時間になるといつも一緒に絵を描いていてね。
授業中だって手紙をまわしたり
しゃべってばかりでよく注意されていたな。


今、思うとさ、ずっと伊織といたら…
こんなに病んだりとかすることもなかったのかもしれないな。
僕の人生も、君の人生も、もっと素晴らしいものだったかもしれないね。
彼女には不思議なパワーがあったんだ。


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