詩-ウタ-


自分に言い聞かせたけど、それでもずっと震えは止まらなかった。


「あ、優奈いた!」

「アンタ柚縷くんと親しかったんじゃん!」

「騙してたの!?」


……もう、どうでもよくなった。


殴られたり、ひっぱられたり、水ぶっかけられたり……。

まるで他人事のように感じていた。


「この裏切り者!」


……裏切り……?

ウチのこと?

今、ウチに言った?

ウチが……アイツと同じ?

利用して、裏切った?


……そうかもしれない。

結局、浅い付き合いの友達を持ったところで、いろんな事をごまかしたところで、裏切りになるのかもしれない。
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