詩-ウタ-


「……なんか、動かないんだけど、コイツ」

「なんか怖くない?優奈」

「気、失ったとか?」


ウチが全く動かないから怖くなったらしい奴らは、さっさとどっかに行った。


やっと、寒さから解放された。


「っくしゅっ!」


早く着替えなきゃ、風邪ひくかもしれない。

……まぁ、でもいいや。

もう、心配してくれる奴なんていない。

カズとだってとっくに別れてる。


「……ゆぅ……」


結局、ちゃんとずっと友達だった人なんてゆぅしかいなかった。

あたしにはゆぅしかいなかった。

そんなことに今気付くなんて……。
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