詩-ウタ-


「何笑ってんの?」

「……同じだから」

「……同じ?」

「さっき、彼女に別れを言われた。ライバルに勝つためだけに俺を利用したから、もういらないんだって。俺的には本気だったんだけどな……」


彼も、同じ。

裏切られた。


気持ちを、一気に落とされた。


「気が合うじゃん」


いつの間にか、ウチも泣いていた。


思い出してしまう。

――李斗。


「アンタ、名前は?」

「タイト。東城泰斗」

「泰斗……。ウチは藤間優奈。よろしく」

「こちらこそ」


自然とケータイを取り出し、アドレスを交換した。
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