詩-ウタ-
「優奈ごめんね。噂、たぶんあたしのせい。いつも噂がついて回ってたから」
「え、結奈も?ウチもあることないこと噂されてたんだけど」
互いの顔を見て笑いあった。
楽しい学校生活……まだ完全に結奈を信じ切れたわけじゃないけど、それでも、嘘でもいいから楽しいと思えたのも、泰斗の存在があったからかもしれない。
いつからか、泰斗は放課後ウチの学校の前に迎えに来るようになっていた。
そんな泰斗に、結奈を紹介した。
結奈が言った『カッコいいね』って言葉に、少し恐くなった。
結奈がいつか泰斗を好きになるんじゃないか。
いつか付き合ってしまうんじゃないか。
……そしたら、ウチは再び一人になるんじゃないか……。
孤独に恐怖を抱いていた。
いつからこんなにも一人が怖くなったんだろう?
前は平気だったのに。
一人でも大丈夫だったのに。
一人の寂しさが怖くなった……。