詩-ウタ-
インターフォンを鳴らすとすぐに家から出て来た泰斗。
その顔は嬉しそうな、悲しそうな、とらえようのない顔だった。
「泰斗……」
「……うん、少し、話を聞いてほしいんだ」
そう言って笑った泰斗の目は、少し赤かった。
部屋に通され、まず最初に言ったこと。
「泣き虫泰斗」
「え!?な、なんで……」
「目、赤いし」
泰斗は黙った。
「ほら、さっさと話しな。話聞く為に来たんだけど」
「……あぁ、うん」
泰斗が泣いたのは、出会った時と映画の時。
出会った時は彼女と別れたって理由だから……もしかしたら彼女が関係してんのかもしれない。
……あ、"元"彼女だ。