詩-ウタ-


「……昨日帰ってきたら、元カノがいた」


……当たった。


「どこに?」

「居間なんだけど、会って開口一番"ごめんなさい"って謝られた。いきなり来たことで驚いたけど、謝っている部分は不思議とわかった」

「そっか、元カノ来たんだ……」

「本当ならもう会うつもりもなかったらしい。でも、前言ったライバル視してた子の話を聞いて、すぐに来てくれたらしい」


……あぁ、勝つための相手か……。


「俺の気持ちを知って会いに……謝りに来てくれたことが、すごく嬉しかった。同時に、本気じゃなかったこと、別れたことが一気に現実味を帯びて……悲しくなった」


泰斗には、すごく辛かったと思う。

でも、羨ましい。


ウチはあの日以来アイツと会ってないから……。
< 26 / 27 >

この作品をシェア

pagetop