詩-ウタ-
「……昨日帰ってきたら、元カノがいた」
……当たった。
「どこに?」
「居間なんだけど、会って開口一番"ごめんなさい"って謝られた。いきなり来たことで驚いたけど、謝っている部分は不思議とわかった」
「そっか、元カノ来たんだ……」
「本当ならもう会うつもりもなかったらしい。でも、前言ったライバル視してた子の話を聞いて、すぐに来てくれたらしい」
……あぁ、勝つための相手か……。
「俺の気持ちを知って会いに……謝りに来てくれたことが、すごく嬉しかった。同時に、本気じゃなかったこと、別れたことが一気に現実味を帯びて……悲しくなった」
泰斗には、すごく辛かったと思う。
でも、羨ましい。
ウチはあの日以来アイツと会ってないから……。