詩-ウタ-
裏切り
アイツと出会ったのは、小学六年。
転校してきたアイツ……白川李斗(しらかわりと)はとても優しそうで、カッコいいというよりはまだ可愛いに近い顔立ちで、一気にみんなのアイドルになった。
「へぇ、優奈っていうの?これからよろしくね」
アレはたぶん、一目惚れってやつ。
1ヶ月もしないうちに、ウチは李斗と付き合うことになった。
なぜか李斗は真っ先にウチに話しかけてきて、1ヶ月もしないで告白してきた。
それにOKしたウチもウチだけど。
その目的を知ったのは中学に入る直前だった。
「え?中学別れちゃうの?」
「うん、今までありがとう」
ただ、別々になるだけで、関係は変わらないと思っていたのに。