闇の中に
地獄
私は教室の前で今日も立ち止まった
《大丈夫だよ、友香(ユカ)。》
昨日と同じように彼女が私の隣で口を開く
唇を噛みしめ勇気を振り絞り教室の扉を開けた
いや地獄の扉の方が正しいかな
ゆっくりと視界に入ってくるいつもと変わらない地獄の風景
私は自ら地獄に足を踏み入れた
教室がざわめく
『お、来た来た クス』
『梨緒―、晴乃―、横山が来たよ―』
『横山ってよく毎日、学校くるよな』
私の前を、後ろを、上を飛び交う悪口
『てか、こなくていい―』
『ナイス!!言えてるね―』
そんな事は気にせず席につこうとするが
「あれっ!?」