闇の中に
桃がこの世界に居なくたって私は幸せと感じる時だってあるだろう
桃以外にも私を思ってくれる友達もいる
でも、私は桃を殺したという罪を背負いながら心にぽっかり空いた穴を塞げないまま生きていくのだ―――
『大丈夫。あなたが岡田桃を殺したという事はわかりませんから。』
「どういうこと?」
『'殺す'と言うより'消す'と言った方が良いかもしれませんね』
「………」
『岡田桃が死んだとはならず岡田桃と言う人間は最初から存在していない事になります。』
「つまり………」
『みんなの頭の中からもちろん友果の頭の中。記憶の中から消えてしまいます』