愛し(かなし)



『消えたの、湊(みなと)が』


彼の事を彼の友達に聞いても、


「湊?誰それ。初耳だけど」


彼の存在そのものが、
無かった事になっていた。


確かに好きだった。
確かに愛し合っていた。
確かに彼の体温を感じた。


彼は確かに此処にいた筈なのに、





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