クロッカーの金庫
『王子様、聞いてましたよね……私の独り言』
「うん。詳しく聞きたいな」
『……これを聞いたら王子様は私をもっと嫌いになります』
「それは大丈夫。最初から君のことは嫌いではないよ」
『え……嫌いじゃないんですか?』
「逆に好きだけど」
『え……!?』
思わぬ告白に少女の顔は再び赤くなります。
王子様も今告白するつもりはなかったのですが、勢いでしてしまい少々照れて頬を赤く染めました。
『私の外見ですか……?』
少々は恐る恐るといった感じで王子様に聞きました。
これには王子様も怒ります。
「馬鹿言うな!僕は外見だけで好きな人を選んだりはしない!君の心に惚れたんだ!!」
『本当に?私、大人しいよ?本好きだし、常に冷静だし……』
「そういうところも好きだよ」
『……私、性格明るくないよ?思い切った行動もできないし、剣も扱うこともできなければ、可愛くパニクることもできない』
「……それは誰と比べているんだ?僕が好きなのは君だ……愛してる」
王子様と少女はお互いに向き合いました。
涙で濡れた少女の瞳と、優しそうに少女を見つめる王子様の瞳が合わさります。
「愛してる……僕と結婚して下さい」
『……それが本当なら、私に愛の口づけを下さい』
王子様と少女は口づけを交わしました。