クロッカーの金庫
「三代目の19歳の誕生日の日、クロッカーの金庫を渡してくれと」
「あの金庫を!?お前たち!金庫の場所を知っているのか!?」
「ええ、知ってますよ」
周りの大臣たちも訪れてた民も響めきました。
クロッカーの金庫は誰にも見つけることはできなかったのですから。
「早くその場所を言え」
「まぁ、そう焦らずに」
王子様はいつもになく興奮した感じでした。
お爺さんはゆっくり話し始めます。
「二代目は言いました。クロッカーの金庫を絶対に安全なわしに預かって欲しい、と。
わしは預かる代わりに条件をつけました。わしの孫と三代目を結婚させること。
二代目は心良く受け入れてくれましたわ」
「父様が!?そんなことを!?そんなの……嘘だろ!」
王子様には信じられませんでした。
お爺さんの話はお爺さんにとって都合のいい話ばかりだからです。
クロッカーの金庫と偽って別の金庫を差し出し、その上孫と自分を結婚させて地位を得ようという魂胆だと思えました。