クロッカーの金庫



それに、王子様は見ず知らずの娘と結婚するわけにはいきません。
それなりに階級の高い、王女に相応しい娘と結婚しなくては国にも影響すると考えていました。
王子様には好きな人はいませんが女王様のような方と結婚するのが理想であったのです。



「何故お前が父様と知り合いなんだ!」

「それはわしらがクロッカーの子孫だからですよ王子様。故に金庫の場所も開け方も知っている」

「子孫だと!?」

「開け方もなの!?」



これには王子様と女王様も驚きの声を上げました。
クロッカーに家族はいないと言われてきたからです。



「嘘だ!自分の地位を上げようとしているのだな!?皆の者!こいつらを捕らえよ!」



自分の父親の知人を名乗り利用してきたことに、王子様は怒っていました。
王子様の命令で兵士たちは二人を捕らえようと、二人を囲みます。



「それは金庫を見てからでも遅くないんじゃないかね?」



けどお爺さんと少女は取り乱すこともせずにいて、お爺さんはゆっくりと話します。





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