お姫様は最強ヤンキー



「なぁ」


「ねぇ」



2人しかいない保健室に声が響く。
・・・超気まずい・・・いやぁぁ!早くこの空気から逃げ出したい!


「アンタのケーキ俺が食ったと思うで・・・チョコのブラウニーやろ?」


「うん」


「すまんなぁ・・・アンタの名前なんや?」


「美衣娑です」


「ほな美衣娑、付いて来い」




「へ?」



男はアタシの手を掴むといきなり歩き出した。

歩幅が大きい・・・。小走りで付いていかないと・・・。



「ねぇ!どこ行くの?名前は?ねぇってば!」



     ピタっドンッ




「いっつぅ・・・急に止まらないでよ!」


「すまんすまん、今から行くのは倉庫。名前は日向 輝(ヒュウガアキラ)。質問は終わりか?」



倉庫=サボり場所?だよね・・・。


なんでアタシが倉庫行くの?ケーキとは関係ないでしょ?


そんなことを思っていると高級車の一種のメルセデスが校門の前に止められていることに気づいた。


フルスモークだから中はあんまり見えないけどあの車に乗ったらヤバイ気がする・・・。


「ね、ねぇ・・・まさかあの車に乗るなんて言わないよね?」


輝が極上の笑みで微笑んだ。



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