お姫様は最強ヤンキー

「そうかいな？全然うるさいと思わへん」



輝はあたし押し退けて、普通な様子で車を降りた。

少し周りをキョロキョロしてから車に顔を覗かせた。



「美衣娑、ちょっと車の中で待っといてや♪」


「別にいいけど」



輝はニコッと笑って八重歯を見せた後〝バタン〟とドアを閉めた。



「なんであたしを閉じ込めるんだろう･･･？」



──────･･･やぁ！！！



外から輝の声がした。
なんて言ってるかは分からないけど怒鳴っている。


　

　　　　　　　　ガチャッ



「降りてもええで」


「あ･･･」


外に出てみると･･･。



「あれ？静か･･･」



先ほどとは比にならないほど静かだった。
バイク音や人の声すら聞こえてこない。