お姫様は最強ヤンキー




─────バシッ



刹那、肌が擦れ合う音がした。


 

「痛ッ・・・」



キレた男が麻友華の頬をグーで殴ったのだ。
殴られた右頬は一瞬にして赤紫色になっていた。



「その口慎め。耳障りだ」


「・・・」




痛い痛い痛い痛い。
ほっぺが痛い。
とても痛い。
泣きたい位、痛い。


耐えなきゃ。美衣娑が来るまでは。




あたしは、下を向いて涙が零れるのを堪えた。



「あいつはまだ来ねぇのか?」

「・・・」

「言え。じゃねぇと同じことすっぞ」

「・・・」

「女を殴るのは嫌いなんだよなぁ、アイツ以外」




─────バシッ



「ッ・・・」







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