お姫様は最強ヤンキー
眠る蝶
* * * *
───────コンコンコンッ
『拓弥さんッ!!乱舞蝶が来ましたッ』
ドア越しに掛けられる威勢のイイ声。
その声は俺に掛けられているものだ。
俺は床に転がっているマユカを見た。
腹を抱え込むように蹲っている。
口端には血が滲んでいる。
きっと、口に中で鉄の味が広がっている。
俺はニィッと少し笑った。
コ レ モ、オ レ ガ、壊 シ タ
腹に1発蹴りを入れてから俺は呟いた。
「お前も、アイツも俺が壊す」
マユカは俺を睨み付けた。
だが、弱々しい。