お姫様は最強ヤンキー
『おい女。拓弥さんが来たぞ。顔を上げろ』
青頭が興奮気味に命令してくる。
THE・キモい。
まっ、そんな事は置いといて。
拓弥とかいう奴はどれだ?
近付いて来る足音。
周りの愚連隊は身を引いていく。
一際あたしに強い視線を投げる1人の男。
きっとアイツが─────・・・
「よぉ、乱舞蝶。俺が拓弥だ」
ビンゴ。
そいつが拓弥らしい。
その後ろには─────・・・
「麻友華・・・・・・」
「みさみさぁッ!!!」
酷い姿の麻友華がいる。
所々から血が見え隠れして、頬には痣が広がっている。
「・・・許さない・・・」
だんだん血圧が上がってる気がする。
前みたいに血が疼いて。
「そんなにマユカが大切なのかよ、乱舞蝶」