お姫様は最強ヤンキー
俺が走って殴りかかる。
だけど、乱舞蝶は一歩も動かない。
ただ、飄々としていて。
俺は内心思った。
俺ならイケるんじゃねぇ?
だけど、現実は甘くない。
「はい、残念♪」
「・・・・・・は?」
─────ドスッ
「う゛ッ・・・」
腹に激痛が走って。
耐えられないから、座り込んじまって。
そこからが悪夢の始まり。
──────ドスッ バキッ ドカッ
「あぁ゛・・・!!」
俺の口から出るのは呻き声だけ。
俺の目に映るのは狂った蝶。
「もっと楽しませてよ?」
俺を殴りながら余裕のある言葉を吐き出す。