お姫様は最強ヤンキー
「自惚れ。お前に似合うよ。その言葉」
散々俺を殴ってから乱舞蝶は颯爽と消えていく。
初めて見た、アイツの狂う姿。
悔しいけどカッコ良かった。
仲間の痛みを自分の痛みのように感じていて。
仲間を大切にしている所。
いつから俺はこんなになっちまったんだろう。
「・・・ッくしょう。」
ぼんやりとしていると足音が聞こえてきた。
恐らく、騒ぎを聞きつけた警察だろう。
「・・・血、拭いときな。あと、立てよ。みっともない。」
・・・乱舞蝶だった。
淡いピンク色のハンカチを差し出している。
軋む体を起こしてハンカチを乱暴に受け取る。
それを見て乱舞蝶は満足そうに目を細める。
マユカを抱っこしてここを去る乱舞蝶。
「・・・完敗だ。」
俺の声が建物に響き渡る。