お姫様は最強ヤンキー



「美衣娑。」




30畳ほどの和式の部屋にハスキーボイスが響く。
あの後アタシは署までいったけど父さんが警察側と取引してこの事件をもみ消したらしい



「聞いているのか?」



少し怒りのこもった声がした。声からして相手は怒っているのだろう。



「聞いてるよ。耳あるんだから。」



それに相対しているのは高1ぐらいであろう少女。少女の名前は矢霧 美衣娑。


彼女は先日違う縄張りの人たちと喧嘩をしてしまいただいま説教をされている。




「・・・・はぁ、矢霧 美衣娑。お前は矢霧という名を背負うのだぞ。今回のような事件を起こしてどうする!自覚が足りんぞ!」




彼女は閉じていた目を少しだけ開けてまた閉じた。


うんざりだ・・・。父さんはアタシのことなんてこれっぽちも思ってないくせによく言うよ。はぁ・・・



「はいはい。矢霧家の名誉に傷がつくんでしょ?娘のせいで。」


自嘲気味にいうと父さんはため息をついて秘書を呼んだ。


「・・・・用意しろ──────だ。」

「仰せのままに。」


ん?用意しろの後が聞こえないな・・・何を用意するんだ・・・?




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