お姫様は最強ヤンキー


男、男、男。

しかも、お食事中らしい。
より一層むさ苦しい。

唐揚げが宙を舞う。

いや、飛ばされてる。


たくさんの食べ物が飛んでる。
かなり飛んじゃいけない物も飛んでる。


あぁー・・・可哀相に・・・。



─────ベチャッ・・・


「痛い・・・」


頬に痛い衝撃が走った。

なんかヌルヌルしてる。
まさかのまさか・・・。



「な、納豆ッ!!!」



や、ヤバい。
かなりヤバいよねこれ。

しかも臭いが強烈なんですけど。


滑り落ちていく納豆を冷淡な目で見つめる。


それでも誰も謝りに来ない。

礼儀がなってないよね。
食べてる場合じゃないよね。
飛ばしてる場合じゃないよね。

謝らないのかなぁ・・・。


大きく息を吸い込む。


『てめぇらぁぁぁ゛!!』


一気に静まり返る。

フロアにいる人の視線を体中に集めながらあたしは怒鳴る。





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