お姫様は最強ヤンキー
「なんの用ですか」
「思いっ切り棒読みだな、おい」
「なんの用デスカ?」
「・・・」
奏の目が怖い。
こ、ここは身を引いて。
「奏がなんでここにいんの?」
「いちゃ悪りぃのか?」
「いや、悪くないけどさ。・・・なんであたしはここにいるの?ここってどこ?」
とりあえず、なんか知ってそうな奏に聞いてみる。
少なくとも奏の脳みそは皺が何本か入っているだろう。
「お前・・・覚えてねぇのか?」
切れ長の一重の目を大きくして驚いている。
「なんのこと?さっぱりなんですけど」
「お前・・・本当に何も覚えてないのか?」
「・・・あたし、昨日の夜の記憶が一切無いんだけど」
あたしはホントに何も覚えていない。
変な倉庫に行った直後、自分は何をしたのだろうか。
奏は難しい顔をして斜め上を向いていた。
「・・・率直に言うと俺らも分からねぇ」
「・・・え?」
「俺らはずっとそこにいた訳じゃねぇから」
「・・・」