お姫様は最強ヤンキー
くだらなくはないが妄想っぽい事を考えていたのは本当だ。
図星でなにも言えない。
おのれ・・・!!
「テメェ・・・そんなにヘルメットが好きか?」
「え?」
知らないうちにヘルメットをきつく抱きしめていたらしい。
「好き・・・ではない」
「とにかく返せ」
「・・・ん」
シルバーのヘルメットを奏に黙って渡す。
最近アタシはなんとなく奏を避けてしまう。
体が勝手に動いて奏からスススッと離れて輝達と話す。
だけど、
アタシは気付かないふりをする。
・・・気付いちゃいけない。
そして・・・もうここに長居は出来ない。
「美衣娑」
ふいに奏が珍し低い声でアタシの名前を呼ぶ。