グリーンライダー
グリーンライダー
　俺の人生は普通。
　そう表現するのが、最もしっくりくる様な人生だった。
　この世に生をうけて２５年しか経っていない若造がいう台詞でもないが、皆同じ様なものだろう。
　特に不自由することもなくそこそこの大学まで入り、社会の歯車としてそこそこの会社に入る。
　入社して３年もすれば、仕事は可もなく不可もなくこなせる。
　そして生活のリズムも一定を刻み、時間はいつの間にか過ぎていく。
　そんな日々の繰り返し。

　だが、俺は別に不満を持っているわけじゃない。とはいっても、やはりどこか非日常的な出来事に憧れている俺がいる。
　そんな俺が不思議な体験をしたのは、５年付き合っている彼女と些細な事で喧嘩をした日の夜だった。

　少しの自棄酒を飲み、俺はベッドへと倒れ込む。
　そしてそのまま意識を失い、夢の中へ。
　夢の内容は覚えてないが、もしかしたらあの不思議な体験が夢だったのかもしれない。
　考えても詮のないことだが、自分なりに納得する「答え」というものは、誰しも必要である。

　目を覚ますと共に、俺は違和感を感じた。
　咄嗟にはそれが何なのか判らない。
　悪酔いをして身体を冷やしたせいかな？と思い、俺は水を飲もうとベッドを下りた。
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表紙・目次

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