無愛想なCinderella
「何その“変な奴”って。ここの人間よりも変な奴なんて滅多にいないだろうに」
「それはそうかもしれませんけど。………人の顔じろじろ見てきて気持ち悪かったんで」
私がそう言うとすぐに、先輩はなにか考えるような仕草をした。
「…ふーん。まぁ、しばらくは本社に用事なんてないんだし、気にすることもないんじゃないか?」
「そのつもりです。じゃ、研究室戻ります」
私はそう言って一礼すると、先輩と別れて自分の研究室に戻った。
―――あの変な奴のことなんて、いつのまにかすっかり忘れていた。