無愛想なCinderella
固まる私たちをよそに、明るい声で彼女は口を開く。
「やだぁ、見られちゃいましたね。…あなた、早く帰ったら?」
その言葉に、私の心が崩れていく気がした。
この二人がキスをしたのは事実。
松島千尋が避けなかったのも事実。
…どこまでが本当なの?
…どこからが嘘なの?
私は耐えられなくなって、開発センターに戻った。
松島千尋の声が聞こえたけれど、振り返る気にもなれなかった。