無愛想なCinderella
Ⅹ・答え
本当は誰かに縋りたくて。
そばにいてほしくて。
でも、言えなくて。
こんな私には誰も近づかない。
―――そう思いながら生きてきた。
まどろみの中で、私が見ているのは松島千尋。
彼は遠くにいて、こっちなんか見てはくれない。
呼べば振り向いてくれるんだろうか。
私のそばにいてくれるんだろうか。
「…千尋さん」
私は小さな声で、彼の名前を呼んでいた。