無愛想なCinderella





視界がぼやける。


…なんでこんなに泣いてるんだろう。



「―――さっき………あんなところ、見て、苦しかった」


「…うん」


「私にしてくれたみたいに、あの人にも優しくするのかと思ったら、…嫌ぁ………」






――――そう呟いた次の瞬間、突然視界が覆われた。


何か柔らかいものが唇に当たっている。


それが唇だと、私にはわからなかった。





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